健康づくりを骨から始めましょう
 
  不老長寿も夢ではない    医療法人 社団美心会 黒沢病院理事長・院長 黒澤 功
 

くろさわ いさお
昭和16年6月 群馬県多野郡中里村に生まれる
昭和35年3月 群馬県立富岡高等学校卒業
昭和41年3月 岩手医科大学医学部卒業
昭和42年4月 群馬大学医学部泌尿器科入局
          群馬大学医学部泌尿器科医局長を経て
昭和52年    高崎市中居町に黒沢医院開設
昭和60年    黒沢病院開設
平成2年     人間ドックを開設
平成3年     脳ドックを開設
平成9年     訪問看護ステーション「くろさわ」開設
平成11年    特別養護老人ホーム「シェステやまの花」開所
平成12年    高崎東部福祉総合相談センター開設
平成14年    特別養護老人ホーム「シェステさとの花」開所
          現在に至る

 今や日本は世界一の長寿国であることは、皆さんもご存知のことと思う。平成15年の統計では、日本人の平均寿命は男性が78.36歳、女性が85.33歳である。日本の医療技術はとても高い水準にあるとともに、国民皆保険制度により、誰でも平等に医療を受けることができる。また、日本の医療費は国際的に見てとても安い水準にあるため、アメリカなどのように、
お金がなくて医療を受けられないという人もほとんどいない。このような医療環境において、日本は世界一の長寿国となったわけである。

 長生きをしたいというのは誰もが思うことである。ではどうすれば長生きできるのであろうか。ここで「予防医学」という言葉がキーワードになる。

 予防には、「一次予防」「二次予防」「三次予防」があり、一次予防とは、病気にならない体をつくることで、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、そして休息。これらの
ことを常に心がけることが重要である。

 現在、死亡原因の第一位はガンであり、その中で最も多いのが肺ガンである。肺ガンは
喫煙と大きく関係があり、たばこを吸う人は吸わない人よりガンになる可能性が4.5倍も高いという統計が出ている。またガンだけでなく、脳卒中や心臓病などの原因にもなり、まさに
「百害あって一利なし」と言える。これだけ悪いとわかっていてもたばこを吸う人は、度胸がある人だと感心してしまう。私にはとても吸う勇気がない。

 二次予防とは、病気の早期発見に努めることであり、初期の段階で治療を受けることが
非常に重要である。そのためには定期的な健康診断や人間ドックの受診は欠かせない。

 60歳を過ぎたあたりから、ガンになる危険性は急激に高くなるが、当院で統計をとってみたところ、人間ドックを受診される方は、60歳を境に急に少なくなってしまう。これはどういうことなのか。答えは簡単である。在職中、多くの企業では人間ドック受診の際に補助金を出してくれる。中には自己負担無しで人間ドックを受診できる企業もある。しかし、定年退職後は100%自己負担で受診しなければならない。それが受診をしなくなる大きな原因のようだ。
せっかくそれまで定期的に受診してきたのに、とてももったいない話である。

 人間とは実に不思議なもので、強盗に襲われた時には、「お金を出すから、命だけは助けてくれ!」とスイスイお金を差し出すのに、一年に一度数万円を払って長生きのための健康管理をしていこうとは考えないものなのか。「助かりたい」と思う気持ちは同じだと思うのだが。

 三次予防とは、治療後のリハビリのことである。いかに早く適切なリハビリを開始できるかが、その後の後遺症の有無に大きく作用する。リハビリはとても根気がいる。本人だけでなく、家族にとっても同じことが言える。焦らずじっくり、そして「良くなろう」という強い気持ちが
大切だ。

 今から約70年前までは、男女とも平均寿命は50歳に満たない数字だった。人生50年といわれたその70年後には人生80年になったわけである。最初に述べたが、今や女性の平均寿命は85歳を超えている。100歳以上の人口は、1963年で153人だったのが、2001年では15,475人となった。38年間でなんと約100倍になったのだ。

 それでは最後に、健康な高齢者に共通する特徴を挙げておく。
 @生活リズムがしっかりしている。
 A塩分を控えるなど、食生活の心掛けをしている。
 B気分転換になる活動を実践している。
 C自立心およびストレスをためない心構えを持っている。
 D精神的な満足度が高い。
 E新聞を読んでいる。
 Fかかりつけ医がいる。
 G歯磨きを毎日している。
 (国民健康保険中央会の「活動的余命を高める方策に関する報告書」より)

 これからもまだまだ寿命は伸びる可能性がある。健康に気をつけ、生きがいをもって楽しい人生を送っていただきたい。不老長寿も夢ではない。

topに戻るマスコット犬

コピーライト