正しい歩き方
ウオーキングとストレッチ


呉堅先生(*) , 田畑泉先生(**) , 樋口満先生(**) , 石見佳子先生(*)
 
食品表示分析・規格研究部
健康増進研究部
 
ウォーキング
ウォーキングの最後に動画があります ^

ウォーキング(歩行運動)はヒトにとってもっとも基本的な活動であり、歩行運動なくしてはからだの諸機能を正常に維持することはできない。したがって、健康増進を図ろうとするならば、まず歩行運動から入るのがよい。歩行運動は、その手軽さ、安全性から運動を始めようとする人にとってはもっともなじみやすいからである。

A. ウォーキングの速度、ケ−デンス、歩幅
一般健常者の歩行は、日常的には70-90m/分の歩行速度で、歩幅は60-80cm、ケ−デンス(1分間当りの歩数)が110-120歩/分である。ウォーキング実施中、よりたくさんの筋肉を活動させるため、歩幅を大きくするよう心がけることが大切である。ウォーキングの速度は、歩行中の心拍数によるコントロールすることができる。目安としては、心拍数が120-140拍/分ぐらいが適当である。このような速度は個人差もあるが100-120m/分以上である。
B. ウォーキングの時間、距離、頻度
健康増進のためには、いかに持続的に運動を続けるかが重要であるから、距離を目安にするより時間を目安にするほうがよい。1日で約30分間(1回に歩く時間は最低でも10分間は続けて歩くようにする)、週に3回程度を目安にし、慣れるに従って徐々に時間、回数を多くしていく。ウォーキング前後には、準備運動(ウォーミング・アップ)と整理運動(クーリング・ダウン)を必ず行うことを守る。
C. ウォーキングの姿勢
胸をはって歩くよう心がける(図)。腰が落ち、背を丸めたような姿勢で歩く習慣がつくと、背柱の正常な弯曲が保たれず、円背、腰痛などを引き起こす原因となる。正しい歩き方のポイントは、次の3つである。
  (1)脚の膝を十分に伸ばすように蹴り、前足のつま先を前方に向け、歩幅が大きくなるようにする。

(2) 横ゆれや上下動を少なくし、肩の力を抜いてリズミカルに歩く。

(3) 腰を極端に振らずに腰の関節から動かす感じで、胸をはるようにする。
 
 
 
補足(久米川)
上の2枚のグラフは運動と栄養などの生活習慣の改善が骨粗鬆症の予防に効果ある事を示唆している。すなわち、卵巣を摘出し血中の女性ホルモン(E2)を減少させ、骨粗鬆症を起こさせた動物(OVX)では、運動(EX)または、大豆などに含まれている植物性女性ホルモン(G,イソフラボン)だけでも骨量の減少がくい止められた。さらに運動と栄養(G)の両者を併用(GEx)するとその効果がさらに顕著となっている。
ウオーキング関連のコラムもご覧ください。日高 敏隆氏 唐木田 俊介氏

 

ウオーキングとイソフラボンの併用効果、実験中

ウォーキング実施動画
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ストレッチ
ストレッチは、はずみをつけずにゆっくりと筋肉を進展させ、それを一定時間保持するものである。筋肉の柔軟性を増し、血液循環を促進するなどの効果があり、疲労回復にもよく行われる運動の一つである。また、運動障害を防止するため、ウォーミング・アップやクーリング・ダウンの中に取り入れられている。
A. ストレッチを行うときの注意点 
1)楽に伸展:はじめに、伸展する筋肉に軽い緊張感を感じる程度に、はずみをつけずに伸ばす、10-30秒保持する間に徐々にその張りがやわらいでいくようにする。
2)やや強い伸展:楽に伸展の後、ゆっくりと少しだけ大きく伸展させる。これもはずみをつけずに行い、10-30秒保持する間に徐々にその張りがやわらいでいくようにする。
3)呼吸法:ストレッチ中の呼吸は止めずに、普通に行う。
4)意識の集中:伸展させる筋群に意識を集中させながら全身をリラックスさせる。
B. 各部位のストレッチ
肩のストレッチ
a) 両腕を頭上に伸ばし、交差して手のひらを合わせ、上後方にできるだけ高く伸ばす。
b) 腕を胸の高さで水平に保ち、一方の肘を反対の肩 のほうに引く。
頸部のストレッチ
a)
頭を前後左右に倒す。
b) 頭を左右に向ける。
指を組み、手のひらを前に向けて腕を前方に伸ばす。 胸部のストレッチ

からだの後ろで指を組み、腕を伸ばして上にあげる。
両手を支持するためになにかの上に置いてもよい。

大腿前面のストレッチ

片脚を後ろに曲げて立ち、片手でつま先をつかみ臀部のほうに引っ張る。

股関節のストレッチ

脚を前後に大きく開き、前の膝を足の真上に置き、後ろの膝は床につけて腰を沈める。
腹部のストレッチ

両足を肩幅に開いて立ち、両手を頭上で組んで上に伸ばすようにしながら上体を左右に傾ける。
腰・臀部のストレッチ

足を肩幅に開いて立ち、腰に負担をかけないように膝は少し曲げて前屈する。
ふくらはぎ、アキレス腱のストレッチ

a) 壁に向かって両脚を前後に開いて立ち、上体を壁にあずけて腰を前に出す。 後ろ足のつま先はまっすぐ前を向け、かかとまで床につけておく。
b) 片膝を地面につき、反対足はその膝の横につま先がくるように膝を立てる。 立てた脚の大腿部を胸で押す。