2003年10月から始まった古都便りも今回で最終回となりました。連載のきっかけは、夫の転勤で東京から奈良に引っ越したことでした。今でこそ、奈良大好きの私ですが、初めは全く違っていました。奈良で過ごした最初の夜は、耳を澄ませば虫の声。家の周りは古墳とお寺ばかり。東京ではグルメと映画とショッピングが趣味でしたが、ここで通用するはずもなく、正直、暮らしていけるのかと不安だけが募りました。

そんな中、この連載の話をいただき、愛用の真っ赤なマウンテンバイクで取材に飛び出した時から、私の興味が変わりました。街の真ん中にあるだだっ広い草原。1300年前、ここが平城京の中心だったと知った時、朱色の御殿を想像し、歴史の壮大さに心惹かれました。

東大寺では、無料の仏教講座が開かれていると聞き、年配の受講生に囲まれて仏教の歴史を学びました。緑鮮やかな若草山、古代に思いを馳せた明日香村、心安らぐ吉野山など、自然と調和した素朴さがありました。

京都では、天蓋のようなシダレザクラ、新緑の大原、炎天下で見た豪華な祇園祭、数えきれない紅葉の名所、静寂に包まれた雪の銀閣寺など、季節ごとに色を変える都の美しさを知りました。「雅(みやび)」の京都と「鄙(ひな)び」の奈良。対照的だからこそ、どちらも魅力的なのです。
同時に、考え方も変わってきました。流行を追いかけ、何かやらなければと躍起になっていた私の心は次第にゆったりしたものになりました。移り変わりの速い世の中で、変わらないものに安心感と確かさがあったからでしょうか。私にとっての古都は、心を豊かにし、人生を楽しむ余裕を与えてくれる存在でした。これも大仏様の威力なのでしょう!
最後に、世話人である久米川先生、スカウトしてくださって本当にありがとうございました。そして、これまで「古都便り」を読んでくださった皆様方、ありがとうございました。言い尽くせないほどの感謝の気持ちを込めて、「古都便り」を終了いたします。でも、私の古都の旅は、まだまだ続きます。最新情報は、ブログの「KOTOコレ2008」(http://micho.exblog.jp/)でチェックしてくださいね! それではまた会う日まで♪
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