2007年7月の活動報告

07/7

電通より「第23回骨の健康づくりセミナーin浦安」への他会社の協賛の可能性について打診(7/17)

「第23回骨の健康づくりセミナーin浦安」の後援に浦安市医師会、浦安市歯科医師会が承諾(7/13)

「第23回骨の健康づくりセミナーin浦安」の後援に浦日本歯科医師会が承諾(7/11)

 
 
 
「22回骨の健康づくりセミナーin札幌」に340名が参加
 

 6月25日(月)、北海道立道民活動センター(かでる2.7)の「かでるホール」にて「第22回骨の健康づくりセミナー in 札幌」が開催された。北の大地、札幌における当セミナーは、北海道医療大学と骨の健康づくり委員会との共催で、2003年に始まり、今年で5回目を迎えた。

 北海道医療大学の公開講座にもなっており、毎年、300名近いお客様に参加頂いていたが、今年は300名をはるかに越える340名にものぼるお客様にお集まり頂いた。300部用意した資料がなくなり、お客様にはご不便をおかけすることにもなった。薄曇に、時折日が差すという天候にも恵まれたこともあったと思われるが、ご案内状を送付した420名のうち、8割を超える340名というお客様に参加頂いたことは、
毎年、継続的に参加頂いているお客様がいらっしゃること、当セミナー、骨の健康への関心の高さの現れであり、主催者側としても非常に嬉しく感じた。また、長年の北海道医療大学が取り組んできた生涯教育が浸透してきた現れでもあると思う。

 今回は、東京大学大学院 教育学研究科 身体教育学講座 小松泰喜先生に「ステテコ症候群と骨粗鬆症〜転倒予防への取り組みから〜」のご講演を、酪農学園大学 酪農学部 石井智美先生に「カルシウム 貯金の見方 〜乳・乳製品の世界各地の利用に見る知恵〜」のご講演を頂いた。

 

 小松先生は、1997年12月、東京厚生年金病院健康管理センターに「転倒予防教室」を日本で初めて開設したメンバーの一人であり、この「転倒予防」という言葉は、現在、国の健康づくりに関する数多くの活動、施策において広く使われるまでになっている。その転倒予防の“元祖”である先生より、これから益々進んでいく高齢化社会における、転倒予防の意義、重要性、また転倒・骨折しやすさの評価法、転倒予防のためには日頃からどのような事に取り組めばよいかといったお話を頂いた。

 男性の高齢者には以前からステテコがうまくはけなくなったら危険という「ステテコ症候群」という言葉があった。要は片足立ちがうまくできない状態のことで、この片足立ちの能力をみることで、転倒・骨折のしやすさが評価できるという。また、片足で30秒の間、足を高くした位置に置いておくことができなかった者が、骨粗鬆症による、転倒・骨折を起こす可能性が、骨粗鬆症でない者よりも2.5倍も高いという結果があり、片足立ちという身体機能を見ることで、骨粗鬆症の発現の可能性や転倒・骨折のリスクが予測できるということであった。そして、転倒予防としては、バランス能力を高める運動が大事であり、普段の生活においても片足立ちを意識し、着替え等の時などにもできるだけ片足立ちで行なうこと、そして日頃の生活において「しっかり歩く」、「こまめに動く」ことが大事とのことであった。

 石井先生は、食文化の観点からみた乳のユニークさ、価値を、主にモンゴルにおける食生活に関するフィールドワークから解説された。乳は子供が生まれて、最初に口にする食物であり、子供が乳のみである程度まで育つというその能力の点、また純白という色合いの点で、ある意味神秘性に満ちた、清浄ものとして捉えられてきた。そのためか、世界各地域、各宗教において、乳は、食することにおいて“タブー”や“忌避”といったものがほとんどない、唯一の食物であるといえるとのことであった。

 歴史的に米が主食であり、乳、乳製品を習慣的に摂取することに関しては日の浅い日本においては、乳は飲むことが多いが、肉や乳に依存する割合の高い遊牧民にあっては、乳は保存食糧として、チーズ等に加工して摂取される。モンゴル人は微生物による発酵技術を経験的に身に付けており、乳を余すことなく、あらゆる乳製品に加工し、食している。モンゴル人にとって、ウシがお産を迎える夏季は、乳製品を摂取する割合が非常に高くなり、一日の摂取エネルギーの約70%を乳製品からとっていることになるとのことであった。

また、ウマの乳から乳酸菌と酵母の働きにより作られる、どぶろく状の「馬乳酒」も夏に多く作られる。一日、馬乳酒だけを飲んで過ごす人も多いが、馬乳酒にはビタミンCが豊富で、栄養源であると共に、馬乳酒を作る菌の成分には免疫力を活性化するものもあると言われており、医者や病院のない彼らにとっては薬の役割も果たしているという。このようにモンゴル人にとってはまさに乳が彼らの健康の源であるとのことであった。

 各先生の講演後の質疑応答も、参加者の関心の高さを物語るかのように活発であった。質問の一つに「ある先生がある本の中で“牛乳を飲むと骨粗鬆症になる”と書いている。一方で、今日のご講演のように牛乳は体に、また骨粗鬆症予防によいと言われる。一体どちらが本当なのか」との質問があったが、これに対して、講演の先生方から「著者の先生に何を根拠にそのような事を書かれているか、質問状や公開討論会への出席をお願いしているが、返事がない」「牛乳や乳製品が体に、また骨の健康によいということは科学的に数多くのデータが出されている」との明確の回答があり、会場の方々は安心されていた。

 講演後に行なわれた骨密度測定会を待っている間、貴重な科学映画と香川県立中央病院の朝日先生の「笑って大往生」の講演ビデオが放映された。科学映画は、貴重なフィルム作品をデジタル化して後世に残そうという趣旨で今年4月に設立されたNPO法人科学映像館を支える会により高画質のデジタル化された2作品−「生命の誕生」と「マリン・スノー」−で、前者はニワトリの受精卵から各器官が形成されヒナになるまでの様子を、そして後者は石油の起源が太古のプランクトンといった微生物であることを紹介したものであった。一方、朝日先生の講演は人生の終焉をどう迎えるかを、ユーモアたっぷりに解説されたもので、生命の誕生から人生の終焉という、ある意味心憎い演出に、骨密度測定後も戻って、視聴される方がおり、最後まで残った会場の方々から盛大な拍手のもと、セミナーは成功裡に終了した。

 なお、今回も北海道医療大学の矢嶋教授、田隈教授他先生方、及び大学院生により全面的にバックアップしていただいた。さらに鈴木部長はじめ、教育研究振興課の方々がこのセミナーの準備から当日まで支援していただいたことに大変感謝する。最後に今回も石井幸子氏から豪華な花が贈られ、会場は和やかなふいん気に包まれたことをお伝えしたい。

文責:雪印乳業株式会社 小林敏也