「20回骨の健康づくりセミナーin千葉」行われる


 

 今年の冬は暖冬と言われるが、この日も抜けるような青空のもと、午後1時半から千葉県文化会館にて第20回骨の健康づくりセミナーが開催された。

 今回の講師は、第16回の同セミナー(札幌)でも御講演された、
戸板女子短期大学学長の江澤郁子先生である。まず、本委員会世話人である久米川正好先生による御挨拶と江澤先生に関する御紹介がなされた。久米川先生が明海大学を定年退職されてからかれこれ5年となるが、そのお話の明快さは年齢を全く感じさせず、見事という他ない。


 講演の前半部分では、人間の骨が成長・成熟していく過程、および形成された骨が維持される仕組みなどについて、非常にわかりやすく説明された。あわせて、一生における骨の量の変化は男女で大きな違いがあり、女性の骨は閉経後、エストロゲン量の低下とともに急激に減少し、骨粗鬆症になりやすいことが説明された。


 後半では、主に先生の御専門である栄養学の見地から、骨粗鬆症にならないための食事の大切さについてお話がなされた。途中、スライドに「體」という昔の漢字を大きく映し、会場に「これを何と読むかわかりますか?」と尋ねられる場面があった。すぐさま大きな声で「からだ!」という正解が返ってきたが、すなわち、(良い)体とは骨が豊かであるということに他ならないということを昔の人は知っていたということである。そのためには、きちんとした食事を摂ることがきわめて重要である。

 最近の若者や子どもたちに多くみられる「朝食抜き」や、カップ麺を代表とするファーストフードばかりを食べているといったライフスタイルは、骨粗鬆症における大変深刻な危険因子であると警笛を鳴らされていた。さらに、若い女性にみられる過度のやせ志向は、不適切な食生活からカルシウムをはじめとした必要栄養素の不足を招く。よく知られているように、カルシウムを効率的に摂取するためには牛乳が非常によいのだが、「牛乳を飲むと太る」という誤解から彼らは牛乳を嫌う傾向があるとのことである。

 実は、アメリカでの最近の研究で、牛乳を飲むことによって太るどころか、体脂肪率が下がることがわかったそうである。また、乳清に含まれ、久米川先生や雪印乳業によって見つけられたMBPという蛋白質が骨によい効果を持つことなどについて、わかりやすい説明がなされた。さらに、正しい食生活に加えて、適度な運動やストレスを溜めないことなどが骨粗鬆症予防に大切であることが示された。

 最後の質疑応答では、会場から「最近、『牛乳は体によくない』と書かれた本がよく売れているが、どう考えるか」といった旨の質問がなされた。これに対し江澤先生は、「本の筆者は裏付けのデータが全くないのにもかかわらず勝手な主張をしているが、本が売れて反響が大きく、大変困っている。もしその主張に自信があるのなら、しっかりとしたデータを示して欲しい」と述べられ、久米川先生も賛同されていた。


 講演終了後には、医療法人クレモナ会の長谷川氏のご協力のもと骨密度測定
会が行われ、相談コーナーでは東京女子医大 整形外科の岩瀬美保先生、香山虎哲先生が務められた。どちらも参加者に大変好評で、本セミナーは大成功のうち終了した。


 

 

 

今回も美しい花で演壇をかざって頂いた石井幸子氏に深謝する。

                            レポート:石橋 宰・美生

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