このコーナーは各界でご活躍の方々にお願いしております。
7月
その1 熱海 智子 お笑い効果
その2 久保 美智代 私の健康法は、世界遺産を巡る 旅
その3 中西 隆夫 歩くこと
その4 真瀬 宏司 還暦を迎えての体と心の健康に ついて
その5 真野 博 野菜を食べて遺伝子は変わる ? 
その6 三好 作一郎 肺炎死亡率が日本の1/14の国は?
   
五十音順

その1 お笑い効果    〜熱海智子 〜
著者近影 最近、フリーラジカルとか活性酸素というものに感心が集まっている。特に癌とか生活習慣病に関係がある。「フリーラジカル老化説」というものもある。でも、酸素を燃やしてエネルギーを得ている我々人間にとっては、活性酸素の発生は避けて通れるものではない。良くしたもので、人間は本来これを防御する力、すなわちフリーラジカル消去作用を備えている。病気とはフルーラジカルの消去作用が低下した時に発生すると考えて良い。

 私は歯科大に勤めているので、唾液を実験材料にすることが多い。最近唾液の中に入っているフリーラジカル消去作用を簡単に測れる方法をみつけた。それで、唾液のもつ消去作用をいろいろな時に測定してみた。その一つが「お笑いビデ
オ」である。

 丁度、試験期だったので、図書館にいた学生に「気分転換しよう」と言って、30分のお笑いビデオをみせた。人気の若いタレントたちが賑やかにコントをやり、学生達はケラケラ笑いながら楽しそうにみていた。ビデオをみる前と10分、20分後と終了時の計4回唾液をとり、その消去活性を測定してみた。すると、ビデオをみたあとでは消去活性が大きく変化した。つまり、お笑いビデオをみることでフリーラジカル消去作用が増加したのである。

 このビデオをみていた時、一人の人が突然怒り出した。「こんなナンセンスなものは下品だ、気分が悪い」と言い出した。たしかに大の大人が鬘をつけて、1メートルもたれたおっぱいをボロンと振り回すさまは、年配の人からみるとエログロナンセンスに入るものかもしれない。でも、多くの若い学生はこの手のコントが好きなのだ。ちなみに「次は古典落語をみたらどうかしら」と学生に聞いてみたら、「あれは眠くなります」と返された。世代のギャップは大変大きい。

 そこで、ビデオをみたあと、「とても楽しく笑えた」、「まあまあ楽しかった」と「面白くない」グループにわけて、先ほどの消去活性を比較してみた。なんと「とても楽しく笑えた」と感じた人は活性が非常に高くなり、「面白くない」と答えた人はむしろ下がり気味だった。それも始まって10分後では差がなかったのに、30分のビデオをみ終わったあとでは大きな差になった。面白い・楽しいと感じるほどフリーラジカル消去作用が増加するのだ。楽しいと思うことは単に気持ちの問題だけじゃなく、身体の防御作用を高める科学的根拠があるのだ。

著者近影あつみ としこ

1942年 北海道生まれ。
1965年 北海道大学農学部農芸化学科卒業。
その後、御茶ノ水女子大学大学院家政学科食物学専攻修了。
現在、明海大学歯学部口腔生理学講座助教授、歯学博士。
歯科材料におけるフリーラジカルの作用とともに、唾液におけるフリーラジカル活性酸素の消去効果の研究をしている。
学生相談室員(カウンセラー中級)の一員でもあるので、研究室は
いつも訪れる学生で一杯である。
著書に「お孫さんですかって、失礼な!」がある。近代文藝社発刊。
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その2 私の健康法は、世界遺産を巡る 旅  〜久保美智代〜

世界遺産と著者 私が今までに訪れた世界遺産は、16か国102か所。3月には、念願だったカンボジアのアンコール・ワットを訪れました。
  世界遺産とは、貴重な文化財や自然を人類共通の遺産として守り、伝えていくことを目的に、ユネスコによって登録されているものです。
 4月現在、日本の11か所を含み、世界中に730か所あります。
 きっかけは、6年前に訪れたカナダのカナディアン・ロッキーでした。雄大な氷河、美しい山々に魅せられ、後にそれが世界遺産であることを知ってから、旅に夢中になりました。どうして、これほどまでに私をひきつけるのか。それは、世界遺産の素晴らしさはもちろんですが、純粋に、すべてを忘れて、自分だけのために楽しむ時間がもてることです。
  仕事や日常から離れ、時には雄大な自然に抱かれ、時には悠久の歴史に触れる------それだけで、心が満たされ、元気がわいてくるのです。同時に、多様な自然や文化を深く知ることで畏敬の念を感じ、国境を越えて”I am a global citizen! ”と強く意識するようになりました。

 さらに、私の旅に欠かせないのは、「夫」の存在です。私たちは、それぞれの役割を分担しながら旅を自分たち流にアレンジしています。旅の計画・運転・写真撮影は夫、通訳・ナビ・レストラン選びは私といった具合です。同じ物を見、体験し、共感し、感動が何倍にもふくらむのです。
 世界遺産の旅は、私の人生を豊かにするためには、もはや欠かせないものになりました。自分が夢中になれることを持ち続けるということは、心身の健康に役立つのではないか、と思っています。今は、初めての南米となるペルー旅行に向けて、計画を立てているところです。

著者近影くぼ みちよ

フリーアナウンサー、愛媛県出身、愛媛大学教育学部卒。
1995年愛媛朝日テレビ入杜、その後、独立。
出演歴
ニュースステーション・桜中継(ANB)、デンタルデータチャンネル(CS)、TV健康クリニック(TVK)など。
HPではこれまで訪れた世界遺産120ヵ所をオリジナル写真で紹介。
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その3 歩くこと  〜中西隆夫〜

  激烈な商社マン生活におさらばした私は、リタイア後の変身を遂げるべく長年住み慣れた横浜から海や山の見える葉山へ移った。朝な夕な、雄大な景色を眺め、きれいな空気を吸って、毎日サンデーを過ごすのは快適である。

 一時間にバス一本という不便さも通勤しない身には応えない。むしろ自然に近づいたと喜んでいる。人里離れると、車が便利だが、かつてのようにドライブを楽しむ私ではもはやない。今では歩く方が好きだ。

 車が産業、効率社会の象徴なら、徒歩は自然、遊びへの一歩だろう。まだ日本が車社会とは縁遠かった昭和三十年代末、初任地、ロサンジェルスで見た車社会はまことに眩しかったが、同時にその陰の部分も見た。

 街中を行く六十歳ぐらいから上の年寄りの中には、長年の車通勤のせいか、車を下りるや、すり足のようにしか歩けない者、そんな危なかしい足取りをしながらも一旦、車に乗り込むや急発進する者らを多く見た。

 その後、昭和五十八年、四十七歳のとき、ニューヨークのマンハッタンで一年近く単身生活をした。事務所は六番街と四十七丁目の角、住まいは一番街と二番街との間、八十四丁目にあった。通勤には普通、地下鉄かバスを利用するものだが、私はその間を雨、雪でも降らない限り、原則、毎日徒歩で通した。片道、早足で歩いてドア・ツ・ドア、ちょうど一時間、往復二時間、毎日、気ままに違った道を歩いて通勤した。

 これが実に楽しかった。通り毎に街の表情が異なり毎日、未知の世界を見る気分だった。
今でも何番街の何丁目辺りと聞くと雰囲気が蘇ってくる。この徒歩通勤のくせは帰国後も続き、新橋から赤坂までの高々二十五分を、往復、約十年間続けた。
取り立てて運動することのない私に、この五十歳頃からの徒歩実績が今日の健康の素となっている気がする。

 退職後五年経つが、その健康にものを言わせ、付近を散策しては「ポッサラッセ」(私の造語でPost Salaried-man Life Essay =退職後はのんびり随筆でも書いて過ごそうとの意)して、ゆったりと過ごしている。

著者近影なかにし たかお

1936年 大阪府高槻市生まれ。
甲南大学経済学部卒業後、日商岩井に40年間勤められた。
その間、ロサンゼルス、シドニー、ニューヨークに駐在。
1998年 退職後、自宅を湘南国際村に移されThe Language Center を設立し英語を教えている。「私の英語遍歴」自費出版(1997年)。とともに、ピアニストの奥様と月2回平均の音楽会を開く。
そこの出席者から数十組のカップルが生まれたとのことである。また、プロバイダーのシステムをアメリカから持ち込み、ニフティの生みの親であるとのこと。

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その4 還暦を迎えての体と心の健康に ついて 〜真瀬宏司〜

  体についての健康管理は、子供が誕生した三十歳すぎからの年一回の人間ドッグでの検診です。勿論人間ドッグでも完全に診ることはできないと考えておりますが、子供の成人までは両親が健全でありたいということと、「もう少し早く発見できれば・・・」という後悔だけは避けたかったことです。その結果ということだけではないでしょうが、胆嚢摘出の後遺症もなく元気で過ごしております。

  五十歳直前にゴルフを終生の趣味とすることに決め、年配の方々のフォームをよく見させてもらい、自己流ではなくきれいなフォームの方々は筋肉の衰えに余り関係なく、若々しいフォームを維持されているということで一念発起してレッスン・プロから一からやり直して早や十年。回数も年に五十回を数え、さらに上を目指して週一回のラウンドと練習を実行しております。これからの五月・六月の美しい緑と青い空、そして白い美しいボールの軌跡を夢見つつ・・・。

 歯については近所に良いお医者様が見つかり、人間ドッグ同様半年に一回の定期健診をお願いしております。私の「良いお医者さん」の判断は、歯の治療で自分の歯をできるだけ残してくれることと良く説明をしてくれることです。

 睡眠は全く問題なく、何時でもどこでも眠れることが特技の一つと云える程です。最近は枕について気を使いだしております。

 心の健康は「感動」するかどうかと考えております。テレビ・映画・本、そして景色、美しいものを美しいと感じて涙することがバロメーターです。
田植えを終えたばかりの水田、稲堤の一面の黄色のタンポポ、山々の残雪と青い空、日本の山岳地帯の美しさです。
 映画では「戦場のピアニスト」が感動しました。我が家の宝「千住博」のウォーターフォールを眺めつつピアノの音楽でリラックス。バラ二本を庭に植えたばかりで、じっくりと育てて四季折々の花との語らいも是非続けてゆきたい。

  いつまでも感動する心をもって・・・。

著者近影ませ こうじ

昭和16年 生まれ。
昭和40年 慶應義塾大学法学部卒業。
日本アイ・ビー・エム株式会社に入社、主として経営部門で活躍。
昭和57年 その間、経営部門等で活躍。
平成3年 取締役就任。流通・サービス産業営業統括本部長となる。
その後、常務取締役東日本支店長。
平成10年 日本情報通信株式会社 代表取締役副社長となり、
平成12年より、ネットシステム・ドット・コム株式会社 代表取締役社長兼任。
今回の執筆は、4月号コラムニスト 杉山徹宗氏のご紹介で、杉山氏とは慶応大学で同窓生であったと聞く。
趣味はゴルフ・絵画と多彩。

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その5 野菜を食べて遺伝子は変わる ? 〜真野博 〜
 コンビニでもドリンク剤を買うことができますが、ドラッグストアーで買うドリンク剤と同じ効果があるのでしょうか?食品スーパーのドリンクコーナーの「元気はつらつ△△△」とは効果が違うのでしょうか?

 今の法律では、ビタミンなどを含むドリンクは、食品、医薬部外品、医薬品に分類され、成分や販売方法が区別されています。食品はさらに、厚生労働省が「御墨付き」を与えた保健機能食品(栄養機能食品)とそれ以外の「いわゆる健康食品」にわけられます。成分の種類やその含量が異なりますから、目的にあわせて、よく成分を理解し、「財布」と相談して購入することになるでしょう。しかし、必ずしも分類、成分、価格と「効果」は比例しないかも知れません。

 成分の判明している加工品でさえ、その効果を評価するのは大変難しいものです。では野菜などの農産物では、このようなことはないでしょうか?「○○という野菜はTVで体に良いといっていたけれど、どこの国で栽培された○○も同じ効果があるのか?」、「同じ県の農協であつかっていてもAさんが栽培した○○とBさんが栽培した○○では本当に同じでしょうか?」など疑問に思ったことはありませんか?

 曖昧な食品(加工食品や農産物など)の新しい評価法を、私たちの研究室では開発中です。実際に行っている一例を紹介します。

 同じ野菜の苗を様々な栽培条件で栽培し、その野菜の評価をします。従来の方法と同様に、野菜に含まれているビタミンやミネラルなども測定しています。栽培条件によって同じ品種の野菜でもビタミンやミネラルの含有量は驚くほど異なることが分かりました。ビタミンなどでは、3倍以上の差があるものもありました。当然、各食品の平均値的な値を掲載した日本食品標準成分表には1つの値しか掲載されていません。

 新しい評価法では、その食品を食べた動物の遺伝子発現パターンを利用します。我々は一回の測定で1万種類以上の遺伝子の発現を調べる事ができる「DNAマイクロアレイ」という新しい技術を使って、その野菜を食べたネズミの肝臓の遺伝子発現パターンを調べました。驚いた事に、野菜を食べた数時間後で10%程度の遺伝子の発現が増えたり、減ったりしていました。さらに驚いた事には、必ずしもビタミンやミネラルの含量の高い野菜を食べたネズミの遺伝子変動が大きいとは限りませんでした。既に知られている成分の種類や量だけでは、食品がもつ能力を評価するのは難しい事が証明できました。


 今後さらに研究をすすめると、「どのような条件で野菜を栽培したら、より健康に望ましい野菜が収穫できるか」とか、全く予想しなかた食品の健康作用(食品機能)が見つかり、例えば「糖尿病の治療のための野菜」などを栽培することが可能になるかも知れません。農業も「収量」の時代から、「おいしさ」の時代を経て、「健康機能」の時代になるのではないでしょうか。

著者近影まの ひろし

1966年 新潟県生まれ。
新潟県立江南高校卒業した後、東京農業大学農学部へ。
東京農業大学大学院博士課程終了、博士(農芸化学)を得る。
明海大学歯学部口腔解剖学教室で助手を務める。
その後、新設された東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科の講師。
現在、城西大学薬学部医療栄養学科の講師。
1988年 日本栄養食糧学会奨励賞受賞。
高校時代から山岳部に属し、自然を愛し、人との関わりを常に大切に考える。
地球住居環境から細胞環境まで、環境問題に強い関心を持っている。
現在、「食」と「若返り」に関して細胞・分子レベルで研究中。その成果に期待した
い。
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その6 肺炎死亡率が日本の1/14の国は? 〜三好作一郎〜
 香港から始まった新型肺炎SARSが中国大陸を初め、世界中に急速に流行し始めている。
私は呼吸器疾患にかかりやすい体質なので、とくに注意して見守っている。世界中の肺炎の80パーセントに効果があると言われている、肺炎ワクチン(ニューモバックス)は昨年摂種した。また、最近はそれ以上に効果があると信じている方法(私の仮説)を実行しているのでそれを紹介したい。

 肺炎は日本ではガン、脳血管障害、心筋梗塞に次いで4番目に多い疾病である。70歳以上の高齢者に限れば1位だという報告もある。肺炎の死亡率が最も高いのはイギリスで、10万人あたり93人である。次はノルウェーで73人、3位が日本で56人である。一方最も低いのは、お隣の韓国でたったの4人である。これはイギリスの1/23であり、日本の 1/14 である。何が原因であろうか。私は食事に注目しているのである。

 韓国の人々が大量に摂取していると、誰でも知っているのは唐辛子とキムチであろう。
唐辛子は日本人の1000倍も食している。しかしインドやタイの人々もそれと同量以上摂取しているのである。呼吸器系の疾患による死亡率についてはインドでの統計はないが、タイでは91人、日本98人、韓国24人であり、唐辛子ではなさそうである(肺炎のみのタイの死亡率は分からない)。キムチの摂取量は調査したが不明であった。

 一方ニンニクは韓国では、1年間に一人あたり10kg (解りやすく言うとニンニク玉100個)摂取しているが、日本では4個(400g)である。韓国人は日本人の25倍ものニンニクを摂取しているのである。そして肺炎の死亡率は 1/14となって反比例している。

 以上は 私が肺炎予防にニンニクを重要視しているデータの一部である。ただし、ニンニク玉100個を食べて韓国の方と同等になったとは思わないように・・・。それは統計では小学生や乳幼児も分母に入っているが、彼らは当然そんなに食べないので、成人では倍くらいが必要なのではなかろうか。また唐辛子やキムチとの相乗効果もあるかも知れない。疫学的な調査が行われるまで私一人で実践しようと思っている。

著者イラストみよし さくいちろう

1932年 愛媛県生まれ。
大阪大学歯学部卒業後、同学部口腔解剖学教室の助手となる。
広島大学助教授、大阪大学助教授を経て、1978年 福岡歯科大学教授となる。
その間、多数の解剖学学者を育てるとともに、数冊の解剖学専門書を執筆。
1998年 福岡歯科大学退職、同大学名誉教授となる。
2003年「歯科医学研究室の小窓から」を文藝社から発刊。
長年にわたる歯科大学教授としての、幅広い体験と高い見識に裏づけられた
話題を満載した座右の書。

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